参考1: 校註 古事記 - 青空文庫
参考2: 現代語譯 古事記 - 青空文庫
参考3: ねずさんと語る古事記・弐 (青林堂ビジュアル)

断りのない引用は参考1からのものです。


今回は短い。

 また食物(をしもの)を大氣都比賣(おほげつひめ)の神に乞ひたまひき。ここに大氣都比賣、鼻口また尻より、種種の味物(ためつもの)を取り出でて、種種作り具へて進(たてまつ)る時に、速須佐の男の命、その態(しわざ)を立ち伺ひて、穢汚(きたなく)して奉るとおもほして、その大宜津比賣(おほげつひめ)の神を殺したまひき。かれ殺さえましし神の身に生なれる物は、頭に蠶(こ)生り、二つの目に稻種(いなだね)生り、二つの耳に粟生り、鼻に小豆(あづき)生り、陰(ほと)に麥生り、尻に大豆(まめ)生りき。かれここに神産巣日(かむむすび)御祖(みおや)の命、こを取らしめて、種と成したまひき。

高天原を追放された須佐之男の命は地に降りる途中、大氣都比賣(おほげつひめ)の神に食物を所望した。大氣都比賣の神は伊邪那岐、伊邪那美の島生みのところで粟(阿波)の国の神として登場した大宜都比賣と同じかどうかはっきりしない。字が違うのである。ただし参考1の注には既出とあるので同一説を採っていると思われる。

大氣都比賣は鼻、口、尻などから食物を出して須佐之男の命に進めようとしたところ、それを見ていた須佐之男は汚いと思い大氣都比賣を殺してしまった。

その殺された死体に種々の食物ができた。食物ではないが蠶(こ)というのは蚕のこと。麥は麦である。そして神産巣日の神がそれを種とした。

神産巣日の神は造化三神の一柱で他の二柱の神と異なり物語の所々に介入している。