参考1: 校註 古事記 - 青空文庫
参考2: 現代語譯 古事記 - 青空文庫
参考3: ねずさんと語る古事記・弐 (青林堂ビジュアル)

断りのない引用は参考1からのものです。


 かれこの大國主の神、胸形(むなかた)の奧津宮(おきつみや)にます神、多紀理毘賣の命に娶(あ)ひて生みませる子、阿遲鉏高日子根(あぢすきたかひこね)の神。次に妹高比賣(たかひめ)の命。またの名は下光(したてる)比賣(ひめ)の命。この阿遲鉏高日子根の神は、今迦毛(かも)の大御神といふ神なり。

 大國主の神、また神屋楯(かむやたて)比賣の命に娶ひて生みませる子、事代(ことしろ)主の神。また八島牟遲(やしまむぢ)の神の女鳥取(とりとり)の神に娶ひて生みませる子、鳥鳴海(とりなるみ)の神。この神、日名照額田毘道男伊許知邇(ひなてりぬかたびちをいこちに)の神に娶ひて生みませる子、國忍富(くにおしとみ)の神。この神、葦那陀迦(あしなだか)の神またの名は八河江比賣(やがはえひめ)に娶ひて生みませる子、連甕(つらみか)の多氣佐波夜遲奴美(たけさはやぢぬみ)の神。この神、天の甕主(みかぬし)の神の女前玉比賣(さきたまひめ)に娶ひて生みませる子、甕主日子(みかぬしひこ)の神。この神、淤加美(おかみ)の神の女比那良志(ひならし)毘賣に娶ひて生みませる子、多比理岐志麻美(たひりきしまみ)の神。この神、比比羅木(ひひらぎ)のその花麻豆美(はなまづみ)の神の女活玉前玉(いくたまさきたま)比賣の神に娶ひて生みませる子、美呂浪(みろなみ)の神。この神、敷山主(しきやまぬし)の神の女青沼馬沼押(あをぬまぬおし)比賣に娶ひて生みませる子、布忍富鳥鳴海(ぬのおしとみとりなるみ)の神。この神、若晝女(わかひるめ)の神に娶ひて生みませる子、天の日腹大科度美(ひばらおほしなどみ)の神。この神、天の狹霧(さぎり)の神の女遠津待根(とほつまちね)の神に娶ひて生みませる子、遠津山岬多良斯(とほつやまざきたらし)の神。

 右の件くだり、八島士奴美(やしまじぬみ)の神より下、遠津山岬帶(とほつやまざきたらし)の神より前、十七世(とをまりななよ)の神といふ。

最初にでてくる多紀理毘賣は宗像三女神の一柱。アマテラスとスサノオの誓約のところで登場したスサノオの娘である。大国主と多紀理毘賣の子である阿遲鉏高日子根(あぢすきたかひこね)の神は迦毛(かも)の大御神という。

大御神というのは神様のランクでいえば最上級である。アヂスキタカヒコネ - Wipediaによると『古事記』で最初から「大御神」と呼ばれているのは、天照大御神と迦毛大御神だけである。たとえば伊邪那岐は途中で大御神と呼ばれたことがある。イザナギの身禊参照。

事代主の神は後に国譲りのところで登場する。しかしタケミナカタの神はここには書かれていない。

須佐の男の命 - 系譜のところでは須佐之男から大国主までの系図を図にしたが、ここでは参考3から神名を物語として解釈するところを引用させていただくことにする。

参考3 ねずさんと語る古事記・弐 より

太陽のもとで農耕をしている人々に(阿遲鉏高日子根神)、神々の言葉を代わって伝え(事代主神)、鳥が鳴く海を行き(鳥鳴海神)、日が照る額田を渡り(日名照額田毘道男伊許知邇神)、国を強くし豊かにした(國忍富神)。こうして国中ではげしく荷が往来するようになり(連甕多氣佐波夜遲奴美神)、すべての荷主の主である国には(甕主日子神)国力がつき(多比理岐志麻流美神)、波を見れば(美呂浪神)、鳥が鳴く海に大きな帆を張った船が往来し(布忍富鳥鳴海神)、誰もが腹を満たす(天日腹大科度美神)ことができるようになった。

つまり大国主神によって、国が豊かになったのです。

詳細に興味があれば参考3を手にとってみられると良いでしょう。